電子書籍が進んでいる中、売り上げが衰えない絵本。
ベストセラーから最新作まで、数えきれないほどの絵本が出版されています。
なぜ絵本が売れ続けているのか、どの絵本がいいのか、どのように読み聞かせてあげたらいいのか、どのように子どもと絵本をとおしてコミュニケーションを取ったら良いのか。
現役保育士がしている読み聞かせ方を教えます!ぜひ参考にしてみてください。
・絵本の何がいいのかいまいちわからない
・絵本の種類がありすぎて、何を買おうか迷ってしまう
・絵本を持っているけど、どう読み聞かせてあげたらいいのかわからない
・絵本を使ってどう子どもとコミュニケーションを取ったらいいかわからない
目次(クリックすると自動で飛びます)
絵本の魅力は「想像力を刺激する」ということです。
映画やアニメーションのように絵が動いたり、喋ったりしないので、見た絵から動きや場面、キャラクターの話かたなど想像する必要があります。
それが脳を刺激し、想像力を鍛えます。
場面転換もページをめくるだけで次々と新しい展開になっていき、自然と先が読みたくなり、吸い込まれるように話に入り込めます。
そして、物語だけでなくマナーやしつけ絵本などで、生活や友達関係、遊びを学び知識をつける教材にもなります。
さらに、現実味のある話から非現実的なファンタジーまで幅広く話があり、わくわくドキドキの他に癒しなどの沢山の感情を得ることが出来ます。
色鮮やかで、音遊びが面白い絵本がおすすめです。
絵本を触る、言葉の音を楽しみたい、絵本の色が面白いなど興味を引く絵本がたくさんあります。
めくることを楽しめる布絵本もあるので一つ二つ持っておきたいところです。
まだまだ難しい話は理解できませんが、言葉を吸収していく時期なので、音遊びだけではなく単語(名詞の他に形容詞が多い内容)が多い絵本を選びましょう。
どんどん自分で絵本をめくって楽しめるようにボードブックの絵本を用意してあげると簡単にめくれるのでおすすめです。
普通の紙タイプでもいいですが、破れたり折れたりするので、買い替える覚悟で持っておく必要があります。
まだまだ手先が不器用なのでめくり辛いですが、ぺらぺら音を楽しんで集中してめくることを楽しむこともあります。
そのうち、絵本の扱い方をきっちり教えてあげてください。
親などの大人が話すことを理解できてくるので、話がある絵本を用意していきましょう。
読み聞かせてもらうことで、話を覚えお気に入りの絵本が出てきます。
そのほか、図鑑などもおすすめです。1歳の時より絵や写真と単語を合致させることが簡単になってくるので、さらに言葉を吸収していきます。
話が少し長編になった絵本から子どもの成長に合わせて複雑な話の絵本へと移っていきましょう。
子どもが理解できる範囲でゆっくりレベルを上げていくことで、どんどん自分から絵本を読みたいという気持ちがましてきます。
絵本を読んだ後に振り返りをすることで、話を理解しているかどうか確認してみてください。
そして、物語だけではなくマナーやしつけ本を使って生活の知識を学べる絵本も用意しましょう。
①自分の膝の上に座らせたり、前側に座らせて、後ろから一緒に絵本を見る方法
②子どもの隣(子どもの利き手側)に座り、一緒に絵本を見る方法
以上2種類の座り方があります。
保育園や幼稚園では大人数で読み聞かせするので、子どもに対して対面に先生が座り絵本を読み聞かせますが、家庭では出来るだけ近くで読んであげた方がいいです。
声のトーンは少し高めで、ゆっくり、はっきりと読みます。
そしてリズミカルな言葉まわしのときは、よりリズムを感じるように読むようにしましょう。
話の展開にメリハリがある場合は、抑揚をつけて読むようにすると飽きてきませんよ。
ただ、リズムの抑揚はつけても、キャラクターの声の使い分けはあまりしない方がいいです。
キャラクターに合わせて声を大げさに使い分けると、その声色のイメージが印象に残り、先入観にとらわれ各自の想像力の妨げになってしまうからです。
声色を変えるのは会話とト書きの違いだけにしましょう。
0歳から1歳は言葉のリズムを覚えたり、単語を覚えたり、ページをめくって指先の運動をしたり、絵をみて楽しんだり、、、
絵本だけでもたくさんの楽しみ方をするので、絵本をおもちゃの一種だと思って、いろいろ(折ったり、破ったり、ただただページをめくったりする行為)大目にみてあげてください。
注)ただあまりにも乱暴に扱ってしまう場合は少し注意したり、扱い方を何回も教えてあげましょう。
親の言っていることもしっかりわかってきて、絵本がおもちゃの一種ではなく、絵本という新しい知育グッズとして認識が変わります。
今までめくっていただけが、話を聞いたり、絵をしっかり見たり、物語や展開を覚えたりします。
絵だけではなく写真や実物に近い描写の絵を特にみせてあげるように心がけてください。
まだまだ言葉を吸収する時期なので、たくさん読み聞かし、正しい言葉、発音、絵と単語の合致を経験させて学ばせてあげてください。
たくさん絵本を読んだから、どれだけ沢山の言葉を覚えたか確認してみたくなりますよね。
でも覚えたからと言って発語できるには段階があるんです。
第一段階「見たことがある、でも名前を知らない」
これが圧倒的に多く、そこから身近なものや何度も見たものから単語を覚えていきます。
第二段階「見たことがある。そして名前も知ってる。でも発語できない」
この段階があることをぜひ知っていてください。
0歳から1歳は第一段階に徹底するので、アウトプットを求めないのがポイントです。
第三段階「見たことがある。名前も知っている。そして言える言葉」
段階を経て、やっと自ら発語することが出来るのでそれまで待っていてあげてください。
物語や話の展開が明確にわかってきます。
少しずつ絵本の難易度(話の内容が複雑なものや長編絵本)を上げていき、さらに飽きないように興味をそそってあげてください。
出来たら子供用の椅子とテーブルを用意し、絵本に集中する環境を用意してあげましょう。
5歳くらいになったら少し簡単な絵本を自分の言葉で逆読み聞かせをしてもらうのもおすすめです。
プレゼンテーション力があがり、自分が考えていることを何とか他人に伝えようとする力を育てることが出来ます。
もちろん、丸投げしてしまうのではなく、一緒に言葉を考えてあげたり、言葉を見つけてあげるサポートをしてあげてください。
言葉遊びで「とんとん」「ぐるぐる」「ぽっぽっ」「ぴんぽーん」など音を使っているときは、絵本を指さしたり、絵本を軽くたたいたり、手動きをつけてあげることで、より言葉と動作を一緒に覚えて楽しむことが出来ます。
「ぷにぷに」「ちょんちょん」など何かに触っているような音の時は、子どものお腹やほっぺたなどの体に軽く触れてコミュニケーションをとると楽しいですよ。
絵本を読み終わった後に感想は求めず、振り返り作業をしましょう。
例えばキャラクター(ライオンやゾウなどの動物や人物など)・場面や背景(森の中、お風呂、水遊びなど)を絵本を開きなおして振り返ることで、より話の内容が復習できます。
3歳以上になってからは、どれだけ絵本に集中できていたか確かめる方法として、絵本を開かずに「誰が出てきた?」「なんて言ってた?」「なんの話だった?」などクイズのように聞いてみるのもおすすめです。
内容によって、真似が出来る話(お風呂で背中を洗う動作、体遊び、楽器遊びなど)は実際に真似っこをして楽しむとより絵本を身近なものに感じることが出来ます。
マナーやしつけ絵本などもより難易度を上げて読むことで、どんどん知識を増やしていけます。
そして「なぜダメだと思う?」「どうしたらいいと思う?」と絵本の内容や自分の考えを言葉にする時間を設けてあげることで、アウトプットの力を付けていきます。
5歳以上になったら、絵本のそのあとの話を自分で作らせてみるのも面白いですよ。
ゼロから話を考えるのは大変ですが、元ネタがあるとアレンジして物語を広げていくことが出来るので負担にはなりません。
年齢にあった絵本を選ぶことで、子どもは興味をしめし、より知識を増やし、想像力を高めていけます。
絵本に対象年齢が書いてあるので参考にしてみてください。
ただ、それは参考なだけで、進みが遅い子もいれば理解力の高い子もいるのと、年齢が上がれば興味のある絵本のジャンルも偏りが出てきます。
それぞれの子どもに合わせて絵本を用意してあげてください。
最近は子どもだけでなく大人も楽しめる絵本が増えています。
子どものころには気づけなかったことが今になって意外と奥深く感じる絵本もあるので面白いですよ。
年齢にあってないから、絵本を買うのはやめとこうと思わず、いつか読めるようになる!という気持ちでいろんな絵本を本棚に置いてあげましょう。
本棚にあるだけでも、とても良い影響があると思いますよ!